ポーランド北部、カシューブ語圏に伝わる刺繍 Haft kaszubski(ハフト カシュブスキ)は、青い花模様と黄色いアクセントが特徴の伝統工芸です。
七つの基本色をベースに、様々な地域の刺繍エレメントを組み合わせたモチーフは、カシューブ地方の陶器や家具の装飾に使われ、ポーランドのフォークロアの一つに数えられてきました。
現在でも、カシューブの青い花をモチーフとした美しい雑貨や民族衣装を目にすることができます。
動画でも分かるように、カシューブの刺繍は全て手縫いで制作する為、同じものは一つとしてありません。
カシューブ刺繍の色構成
カシューブ刺繍は、3種類の青色(水色、ライトブルー、サファイアブルー)、赤色、緑色、黄色、黒色の7色から構成されます。
3つの青色は、空、湖、バルト海を表し、赤色はこの地域に対する人々の愛を表し、緑色は牧草地と森林を表し、黄色は大要を表し、黒はカシューブ人の勤勉さを表しています。
刺繍のエレメントは、パンジー、カーネーション、ツリガネソウ、わすれな草、バラ、ざくろなど多岐にわたり、地方によってデザインも微妙に異なります。
こちらの動画は、古典的な手法によって、色鮮やかなカシューブの花模様が制作される様子が描かれています。
カシューブのデザイン
こちらはカシューブの花模様をモチーフとした 4ka(チュフルカ)のコースターです。
少し分かりにくいですが、一部の商品にカシューブの代表的な町の名前「KOSCIERZYNA (コシチェジナ)」「JASTRZEBIA GORA (ヤストシェビア グラ)」「ZUKOWO(ズコヴォ)」のロゴが入っています。
ポーランドの著名なフォークロア作家、ミロスワヴァ・ステファニャク女史のデザインです。
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画像はクラクフの雑貨販売会社『4ka(チュフルカ)』の許可を得て掲載しています。
会社情報は、 4ka(チュフルカ)についてをご参照下さい
カシューブ語圏について
カシューブ語を話す人々、カシュービア Kashubia(カシュービア)の言語圏は、海沿いのグダニスク、グディニャ、ソポト(トゥルイ・ミヤスト)から Hel(ヘル) 、Jastrzębia Góra(ヤストシェンビア・グラ)にかけて、南はKościerzyna(コシチェジナ)の辺りまで広がっています。
元々は、ドイツ北東部からポーランド北西部にかけて広がるポメラニア地域(ポーランド語ではポモジェ Pomorze)から派生した言語であり、ポーランドにおいては、少数民族の独立した言語として認識されています。
カシューブ地方を旅する
こちらはカシューブ地方の見どころを伝える動画です。
ポーランドの湖水群といえば、北東のヴァルミニスコ=マズルスキィ県が有名ですが、グダニスクから以西、ポモルスキ県からザホドニア=ポモルスキ県にかけての沿岸にも美しい湖と森林が広がっています。
夏になれば、キャンプやカヌー、ボート遊びを楽しむ観光客で賑わい、海のリゾートとはひと味違うバケーションが楽しめます。
アクセス
カシューブ地方を旅するなら、グダニスク、あるいはグディニャ近郊に宿泊し、バスや自転車で移動するのが便利です。特に沿海のグディニャ~ブワディスワボボ~ヘルにかけてサイクリング・ロードが整備されており、女性でも一日数十キロを移動することができます。ポーランドは平地なので、自転車に乗っても疲れません。レンタル自転車も充実しています。
あるいは、上記でも紹介している Kościerzyna(コシチェジナ)にかけての KoKashuba Protected Landscape Area(カシューブ保護地域)のエコロジーパークを自転車で散策してみるのもいいですね。
カシューブ保護地域のトラベル情報は下記サイトで確認できます。
https://pomorskie.travel/en/punkty-poi/kaszubski-park-krajobrazowy/ (英語)
https://kashubia.tourpoland.net/kashubian-landscape-park/tourist-attractions(英語)
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