『しずくのぼうけん』の冒険 ポーランドの絵本作家 ボフダン・ブテンコ氏の訃報に寄せて

Facebookにも記載していますが、日本でもロングセラーの絵本『しずくのぼうけん』の作者で、ポーランドを代表する絵本作家であり、イラストレーターのボフダン・ブテンコ氏が10月14日、逝去されました。

投稿にも記したように、日本では非常に有名なこの絵本が、本家本元のポーランドでは絶版になって久しく、うちの子にオリジナルの絵本を読み聞かせようと本屋やネットショップを探した時には、どこにも在庫がないどころか、本の情報さえ得られない状況でした。

そこで、ボフダン・ブテンコ氏のオフィシャルサイトに問い合わせたところ、ポーランドの著名な作家で、ブテンコ氏の作品管理を手掛けておられる、ダリウシュ・レコシュさんより返事があり、やはりオリジナルは絶版になっているとのことでした。

それだけでも驚きですが、日本でこれだけ愛されている訳本が、肝心のブテンコさんの手元に無い(?)とのことで、早速、Kindleから取り寄せて、お送りした時の記事がこちら。

初版が1969年ですから、発行元の福音館書店も、すっかり情報が途絶えていたのかも知れません。

『しずくのぼうけん』 ダリウシュ・レコシュ氏のオフィシャルサイトより

そんなやり取りがあって、程なく、

2015年、ついにブテンコさんのオリジナル本(ポーランド語の原詩は Mari Terlikowska マリア・テルリコフスカ女史)が再版され、私も入手した次第。

しずくのぼうけん 表紙

ポーランド本の裏表紙には、ブテンコ氏の代表的なキャラクターであるGapiszon(ガピション)と『しずく』が花の上で仲よく腰掛けています。

しずくのぼうけん 裏表紙

再版されたオリジナル本は、色合いも刷新され、よりヴィヴィッドになっています。

……というより、私の持っている日本語版が色褪せてるのかな^^;

また、新装された表紙と裏表紙のイラストには、エンボス加工がされて、絵柄が浮き上がるような仕様になっています。

しずくのぼうけん ポーランド語版と

しずくのぼうけん

この事が決定打になったわけではありませんが、「日本でも世代を超えて愛されている」という事実が再版を後押ししたのは言うまでもありません。

なんだかんだで、日本でも、50年にわたるロングセラーですから。

また『しずくのぼうけん』が長く愛される理由は、ブテンコさんの温かい、可愛い絵柄ももちろんのこと、訳者の「うちだりさこ」さんの力量に依るところも大きいでしょう。

ポーランド語の原詩と、日本語の訳詞を読み比べると、それがよく分かります。

ただでさえ難しいポーランド語の詩を、子供向けの、リズミカルな日本語文に翻訳するのは大変なご苦労だったでしょう。

この二文が「ゆらゆら ながれて たのしいたび きのはや さかなと おにごっこ」になるのか~。

Wodociągi (給水) が「すいどうとりいれぐちだ!」 なるほどー。

私などは、ただただ感嘆するばかりです。

再版に至った経緯はともあれ、『Kropra(しずく)』はこれからも時代を超え、国境を越えて、読み継がれていくでしょう。

日本語になったり、英語になったり、ドイツ語になったり、イタリア語になったり、、、

しずくの冒険はぐるっと地球を一周して、果てしなく続いていくようです。

しずくのぼうけん 表紙
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