ワルシャワ蜂起・記念碑と無名戦士の墓

ポーランドは、侵略、国土分割といった悲しい歴史をいくつも背負っています。

戦争が勃発する度、血を流したのは、前線に駆り出された兵士だけでなく、普通の暮らしを営む一般市民も同様でした。

第二次世界大戦の折には、ナチス・ドイツ軍の猛攻を受け、首都ワルシャワの8割以上が壊滅し、20万もの市民が犠牲になったといいます。

もしかしたら、ドイツあるいはロシアの侵略によって、永久に消滅したかもしれないポーランド共和国。

この国が今にあるのは、祖国のために血を流すことを厭わなかった、勇敢な兵士一人一人の尊い犠牲に他なりません。

写真は、ワルシャワ蜂起記念碑。

第二次世界大戦末期、ソ連軍がワルシャワに迫り、解放も間近と見たワルシャワ市民は、1944年8月1日、ドイツ軍に対して一斉に蜂起しました。

しかし、政治的には反ソ連である蜂起の実体を見抜いたソ連軍は、首都を流れるヴィスワ側の対岸まで達しながら、援軍を差し出さず、ワルシャワ蜂起軍は無念の降伏を喫したといいます。

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By No machine-readable author provided. Valdoria~commonswiki assumed (based on copyright claims). – No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., Public Domain, Link

祖国のために戦った名も無き兵士たちの犠牲を悼むため、建立された無名戦士の墓。両側を儀礼用軍装に身を包んだ兵士が直立不動で見守っています。
毎時ちょうどには様式化された兵士の交代を見ることができるのですが、今回は、残念ながら見ることができませんでした。
しかし、柱に刻まれた戦いの歴史には圧倒。
国家の独立をかけて、いかに多くの戦いが繰り返され、いかに多くの人々が命を捧げてきたか、思い知らされます。
兵士の間には(ちょうど私の後ろに隠れていますが)、戦死者の魂を悼む慰霊の火が、絶えることなく墓を照らしています。

写真は、Wiki Commonsより。

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By Andrzej OtrębskiOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

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By © Marek and Ewa Wojciechowscy / Trips over Poland, CC BY-SA 3.0, Link

今では観光名物となっているガードの交代です。

ポーランドの葬儀より

今回、私は、彼の親族の葬式に参列する機会がありました(2002年度)。
ポーランドは国民の九割以上が敬虔なカトリック教徒で、亡くなったお祖父さまの葬儀も、町の教会でしめやかに行われました

その際、印象的だったのが、葬列の先頭を飾るのが、ポーランド軍旗を掲げた退役軍人の方々だったこと。

軍旗には、お祖父さまが従軍された年月日とお名前が縫い込まれ、それを年老いた退役軍人の方々が誇らしく掲げておられました。

日本で、第二次大戦に従軍していた方が亡くなっても、そんなことをするでしょうか。
称えるどころか、話の口にも上らないのではないでしょうか。

これだけ見ても、ポーランドと日本の歴史に対する考え方の違い、また戦争や従軍に対する受け止め方の違いが見て取れます。

ポーランドには、首都ワルシャワだけでなく、クラクフ、グダンスク、ザモシチ、地方の山村に至るまで、第二次大戦の戦死者を悼む慰霊碑や、過去の戦争において亡くなったたくさんの兵士を悼む「無名兵士の墓」など、戦争、特に、祖国のために戦ったたくさんの人々をお奉りするモニュメントがたくさんあります。

私たちが今手にしている平和や豊かさは、決して天から与えられたものではありません。
私たちの父親、祖父、曾祖父らが何代にも渡ってゼロから必死に築いてきたものです。

私たちは、それをちゃんと理解しているでしょうか。

教えてくれる人はあるでしょうか。

難しい参考書など広げなくてもいい。

葬儀の先頭を行く軍旗を見るだけで、ポーランドの人々は歴史を理解するでしょう。

そして、日本に足りないのは、そうした身近な学びの場ではないでしょうか。

*

親戚のお祖父さまの葬儀。
葬列の先頭を行くのは、軍旗を掲げた退役兵士の方々でした。
(親族よりも前を行くのに驚きました。日本では考えられない光景です)
軍旗には、お祖父が戦った年月日が縫い込まれており、この国の人々が、いかに歴史を大切にされているかがよく分かります。

葬儀に参列する退役軍人

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